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林檎亭

(´・ω・`)やぁ。 ようこそ林檎亭へ。

第四話-重力戦線(前編)-【宇宙駆ける蒼い鳥】

2010.01.05

category : 月光蝶である!

「チハヤちゃん!」

ユキホが加速、炎に包まれていくチハヤ機へと向かった。

「チハヤちゃん、上に!」

コスモスがチハヤのクゥエルの下に滑り込み、ショックコーンがクゥエルを包む。

「こちらはこのまま降下します!ミキちゃんとヒビキちゃんはそのまま降下して地上部隊に連絡を!」

そう言い終わると同時に、プラズマの炎に阻まれて通信途絶。

ミキとヒビキは頷き合うと、全ブースターをパージしてバリュートを展開した。

ハルカはしばらくチハヤの消えた方角を見つめていたが、マコトに外部から強制的にバリュートを展開させられ、地球へと降下していった。

「チハヤ機とコスモスの軌道予測、完了しました。この軌道だと、ジャブローに降下します!」

オーバーマスターの艦橋、オペレーターがシジョウに告げた。

「ジャブローですか……それなら、安心ですね。」

ずっと肩をこわばらせていたシジョウだったが、報告を聞いて大きくため息をつく。

「敵艦は?」

「現行の軌道を維持、衛星軌道を回るもようです!」

「では、こちらは予定通り加速、グリプスに向かいつつジャブローにレーザー回線通信を開いてください。」




減速が終わり、バリュートを包んでいたプラズマの炎が少しずつ消えていく。

頃合か、とヒビキはバリュートをパージ、隣を見やる。

[ヒビキ!]

[ミキ、無事か!?]

互いに無事を確認し、下方に視線を送る。

眼下に広がる雲海、だが。

[下で……戦闘してるの!]

その先に、パラパラと起こる光。

[で、しかもアイツらが一緒に降下してきてる……]

そう言うヒビキの視線の先には、ハルカとマコトのリック・ディアスが。

[どうする……?]





「ネモ5番機中破!帰還します!」

ガルダ級輸送艦「インベル」艦橋。オペレーター席に座るショートヘアの女性が叫んだ。

その言葉通り、煙をあげて艦へ向かってくるネモが一機。

他の機体は、遠くに居るもう一つのガルダ級と、そのMSと交戦している。

「5番機の帰還によって戦力20%減……だめです、もう持ちませんよ!」

その隣に座る男が、額に汗を浮かべ叫ぶ。

「艦長、ここは引いた方がいいんじゃあ……」

さらにその隣、メガネをかけた女性が言った。

「なりません!我々がここを引いたことろで、大気圏に再突入し、ジャブローを脱出して疲弊しきった部隊の犠牲を増やすだけです!」

艦長席に立つ初老の男性が、歯をくいしばって言う。

「しかし……」

眼鏡の女性が、次々と増えていく艦の損傷個所を目で追いながら言った。

「まだ、なのですか……!」

懐から懐中時計を取り出し、歯ぎしりをする艦長。

その時。

「0方向より熱源4!MSと思われます!雲とミノフスキー粒子で識別信号は確認できませんが……」

雲を突き抜けて二本の光が走り、それぞれがネモとハイザックを撃ち抜いた。

「なんですと!」

艦長……ジョセフ・シンゲツが驚いて顔を上げた。

「識別信号確認、エゥーゴとティターンズ、2機ずつです!」

[こちらエゥーゴ765隊、ハルカ・アマミとマコト・キクチです!]

雲を突き抜けて、パラシュートを展開したハルカ機とマコト機が現れる。

「こちら連邦軍……おっと、今は裏切りの身、カラバのギョクト隊です。援護、感謝します。」

通信機の向こう、見えない相手に向かって律義に敬礼するジョセフ。

[ボクのディアスはこのまま戦闘可能です!ド・ダイの射出を!]

[私は腕をやられていて無理です!ネモの予備は?]

「分かりました、ソレワさん!」

ジョセフが頷き、ショートヘアの女性、ソレワに言った。

「了解、ド・ダイ射出!未来座標送ります!ハルカさんはそのまま後部デッキへ、ネモに乗り換えてください!」

ガルダの後部デッキから、MS用のサブフライトシステム、ド・ダイが射出される。

[了解!]

[マコト、ド・ダイに乗ったままじゃ格闘戦はできない!]

ド・ダイとの合流ポイントに向かうマコトに、ハルカがビームピストルを投げた。

「ありがとう!」

ピストルを受け取ったマコトはバリュートのブースターで減速、飛んできたド・ダイに飛び乗った。




「当たったの!」

雲を突き抜け、姿を現すミキとヒビキのクゥエル。

[ティターンズの船は……あれか!]

濃紺と黒、いわゆるティターンズカラーのガルダ級を見て、ヒビキが言った。

「こちらティターンズ961隊、ヒビキ・ガナハ少尉!そこのガルダ級、回収を頼む!」

[こちらはティターンズ、バスタルトニュータイプ研試験大隊『トゥリアビータ』です。回収準備はできています、しかし、3機編隊と聞いましたが。]

「一機は突入時の戦闘ではぐれた!救助にも向かいたいがとりあえずは無事だろうし話は後だ、補給を!」

[分かりました。後部ハッチが開いています。]

「了解!」

ヒビキとミキはそう言うとパラシュートをパージ、ガルダの後部へと潜り込み、デッキに飛び乗った。

そしてバリュートもパージ、整備用のハンガーに機体を固定。

多くの整備兵が機体に取りかかる中、ヒビキとミキはコックピットを降りた。

「ぷはっ!」

ヘルメットを外すと同時に、ヒビキの長い髪が溢れ出る。

「地球の重量も久々だなぁ……ミキ、大丈夫か?」

ヒビキがミキを振り替える。

「空気は良い匂いだけど、胸が重いの。」

同じくヘルメットを外し、不機嫌そうにポニーテールの髪をいじるミキ。

「それ……チハヤの前では言わない方がいいぞ……」

苦笑するヒビキ。

「ティターンズきってのエース部隊だと聞いていだが……女なのかよ……」

そんな会話を交わす二人を見て、兵の一人がそう呟く。

それを一睨みし、

「艦長はどこだ!補給中に話がしたい!」

ヒビキが叫んだ。

「ここです。」

それに応え、人混みを分けて現れた一人の男。

鋭く細い目に短い髪、中肉中背の身体に、コートをまとっている。

「トゥリアビータNT研究所、所属部隊長のカラス・グランドロッジです。ようこそ、『ヌービアム』へ。」

そう言って、握手をと手を差し出すカラス。

「よろしく……お願いします。」

ヒビキは敬礼しようとした手を戻し、握手する。

「我々は実験部隊。正式な階級は与えられておりませんし、ティターンズの士官殿が敬語を使うほどの者でもありません。お気になさらず。」

「分かった。……まず、補給はどれくらいで済みそうだ?」

「合流は予定通りでしたので、追加ブースターは既に用意はしてあります。……しかし、仲間を助けないでよろしいのですか?」

「ユキホ……オペレーターも一緒だし、チハヤなら放っておいても大丈夫だ。」

「なるほど、信頼の賜物ですね。」

毅然と言うヒビキに、カラスは苦笑する。

「ミント級と一緒だから、最寄りの基地くらいまでには行けるはず。戦闘が終わったらオーバーマスターとコンタクトを取って、効果予想地点付近の基地に連絡を取ろう。」

「分かりました。」

恭しくカラスが礼をした、そのとき時、

[艦長!今すぐ艦橋にお戻りください!]

艦内放送が響き渡る。

「どうした!」

携帯端末を取り出すカラス。

[敵に増援が二機、我が方のMSを次々と……!]

「あいつらだ!」

端末をのぞき込み、ヒビキが怒鳴る。

「エゥーゴの部隊、ですか……」

「自分達はクゥエルで待つ!補給を急いでくれ!……ミキ、起きろ!」

ヒビキが、会話の間に立ったまま寝ていたミキを叩き起こす。

「あふぅ……ミキ眠いの。」

「ああもう、チハヤがいないといつもこうだ!」

忌々しげに地団太を踏み、

「ミキ!エゥーゴに地球を汚されて良いのか!?」

ミキの肩を掴み、怒鳴るヒビキ。

「それは嫌なの!」

するとミキは目を見開き、肩を掴み返す。

ヒビキは大きくため息をつき、

「行くぞ、出撃だ!」

ブースターの換装作業を終えつつあるクゥエルに駆け寄り、昇降機でコックピットへ。

「分かったの!」

ミキも慌ててそれに続く。

「シャワーくらい浴びたかったのに……」

苦い顔でパネルを操作、ヘルメットを被るヒビキ。

「少尉殿、換装終わりました!」

コックピットを閉めようとしたところで、整備兵の一人が顔を覗かせ敬礼する。

「ありがとう!」

ゆっくりと閉まるコックピット、暗闇に包まれたのは一瞬で、次々にモニターが外の景色を映し出していく。

[現在の戦況、送ります!]

ブリッジから送られてきた戦況。今まで優勢であったティターンズ部隊が、ハルカたちによって次々と撃破されている。

戦況を確認しながら、それぞれ別のド・ダイに乗り込む二人。

「ヒビキ、出るぞ!」
「ミキ、行きます!」

掛け声とともに、ド・ダイに乗ったクゥエルが飛びだす。

「そこっ!」

同時、ハルカのネモが放ったビームがハイザックを貫いた。

「ハルカ、増援だ!……あのクゥエル!」

ビームピストルを乱射しながら、マコトが言った。

「やっぱり出てきた…!」

突進してきたハイザックをかわし、ビームサーベルを投げつけるハルカ。

サーベルはコックピットに突き刺さり、ハイザックは爆散する。

その爆炎を突き破ったハルカが狙いを定め、発砲。

「甘いの!」

ミキはそれを難なく回避、反撃した。

「ミキ、大丈夫か!」

「ここは任せて欲しいの!チハヤさんを困らせた奴は許せない!」

そう言って、ミキはハルカに突進していく。

「それは自分も同じだけど……なっ!」

言いかけて、ヒビキは自分を狙う別のネモに気付いて発砲、撃墜。

「ハイザック部隊、ネモを抑えてくれ!自分達はエースをやる!」

振り向きざまに、黒いリック・ディアス、マコトに向かって突進する。

「うおおおおおおおおおおおっ!」
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プロフィール

リンゴ・t

Author:リンゴ・t
アイマスが好きです、でもガンダムは人生です。

im@s架空戦記「宇宙駆ける蒼い鳥」好評連載中!

その他にも雑記、オリジナル小説上げるかも。

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