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林檎亭

(´・ω・`)やぁ。 ようこそ林檎亭へ。

第三話-高度五万米(後編)-【宇宙駆ける蒼い鳥】

2009.12.08

category : 月光蝶である!

・ネタバレ
アイマス界きっての人気者、あの男が死にます。







「ハルカ、リック・ディアス、行きます!」
「マコト、リック・ディアス、行きます!」
「こちらネモ、タナベ機発進します!」

ラーディッシュ級、両弦のカタパルトからMSが発進する。

[チハヤさんの乗っている戦艦からも、MSと思しき光を確認しました!たぶん、チハヤさんも……]

直後、ヤヨイからの通信。

「チハヤちゃん……!」

ハルカが歯を食いしばり、ペダルを奥深く踏み込んだ。

[ハルカ、飛ばしすぎ!]

全力噴射するハルカを慌てて追いかけ、マコトがその肩を掴んだ。

「でも、」

「チハヤだってきっとこっちに気付いてる、ちゃんと会えるよ!それより、大気圏突入に気を付けなきゃこっちが死んじゃうよ。」

「………分かった。」

うつむき、ハルカは突入軌道を再確認。

バリュート展開高度到達10分前に会敵、

…………その間に、説得しないと。

[ハルカちゃん、焦るのは良くないぞ!]

「タナベさん。」

随伴していたネモも、ハルカ機の肩を掴んで言った。

「分かりました。……チハヤちゃんも、きっと分かってくれる……よね。」

[もちろんだよ!チハヤは仲間だもん!]




[計算結果出ました!バリュート展開高度到達10分前……あと少しで会敵します!]

ユキホが、コスモスのパネルを操作しながら言った。

「ありがとう、ユキホ!」

チハヤも、クゥエルのブリーフィングモニターで軌道を確認する。

[チハヤさん、あれって誰なの?]

昨夜のヒビキとのやり取りを知らないミキが、チハヤ機の肩を掴んで言った。

「私の古い親友よ。星の屑以来、会っていないけど。」

[お友達なの?じゃあなんでエゥーゴに……]

「私にも分からない。ハルカだって、コロニー落としで親族を亡くしているのに。」

思いつめたようなチハヤの声。

[チハヤちゃん、機影を確認、そっちに送ります!]

その時、ユキホから通信が入る。

コスモスの高性能カメラが捉えた敵部隊。黒とピンクのリック・ディアスと、一機のネモ。

「あの黒いのは……もしかして、マコト?」

チハヤは全身のスラスターをチェック、

「フェアリー隊、アローフォーメーション!ピンク色のリック・ディアスを鹵獲するわよ!ユキホは後方から支援!」

[了解!]
[了解なの!]
[分かった!]



「来る!」

軌道上の光を見て、ハルカがビームライフルを構える。

[え、でもまだ……]

スラスターの光が見えただけで、まだ光学センサーでは捉えられていない。戦闘開始はまだだろうと思っていたタナベ。

だがその瞬間、3機の間を光が駆け抜けていく。

「ミキ!?」

[チハヤさんを、困らせたらダメなの!]

慌てて振り向いたチハヤの目に入ったのは、遥か彼方に向かってビームライフルを構えるミキ。

「待ちなさい、ミキ!」

[あのピンクのリック・ディアスを捕獲するんでしょ?なら他のは!]

そう言って、さらにもう一発。

[うおお!?]

今度は、タナベ機の肩ギリギリを掠める弾道。

[チハヤさんのお友達がエゥーゴの仲間になるわけ無い!きっと騙されてるの!]

さらに一発、二発。

いずれも直撃こそないが、確実にその近くを走り抜けていく。

「いい加減に……!」

チハヤとは別の二つのプレッシャーを押しのけ、ハルカはライフルを構えて発砲。

ミキが慌てて回避運動をとり、直撃から逃れる。

「チハヤちゃん!」

敵がひるんだのを確認して、チハヤへと突っ込んでいくハルカ。

「チハヤちゃん、どうしてティターンズなんかに!」

ライフルを腰に、チハヤ機を掴んでハルカが言った。

「ハルカこそ、なんでエゥーゴ……ジオンの残党なんかに!」

チハヤも武器を収め、ハルカ機を掴む。

「エゥーゴはジオンの残党なんかじゃない!ティターンズこそ、私兵軍団じゃない!」

「私は、私達は地球連邦軍の士官よ!?」

目に涙を浮かべ、チハヤが叫ぶ。

あんなに一緒に過ごしてきたのに。

チハヤの頭の中を、かつての日々が駆け巡る。

どうして、どうして分かってくれないの……?

「チハヤさん、泣いてるの?!」

ミキが、今度は射程距離に入ったハルカにしっかりと狙いを定める。

チハヤが近くに居るが、この距離なら外さない。

「でりゃあああああああっ!」

だが、マコトがそのライフルを蹴り飛ばした。

「邪魔しないで欲しいの!」

「そうはいかない!」

右手を振りかぶり、ミキに叩きつける。

ミキはそれを素早く下方に回避、ビームサーベルを引きぬいた。

「こいつッ!」

[チハヤちゃん、ヒビキちゃん、ミキちゃん、突入限界まであと3分!]

ユキホの言うとおり、あたりに摩擦で発生した炎が舞い始める。

「ミキ!」

「君の相手は俺だ!」

ヒビキがミキ援護に入ろうとするが、そのライフルをビームが貫いた。

「なんで前に出てくる!」

追加ブースターの途方もない出力で高速移動、素早く抜刀したサーベルを投げつける。

「ぐわあっ!」

ビームの刃がタナベ機のバリュートをかすめ、タナベ機は体勢を崩す。

「なんとおおおおおおおおおっ!」

さらにそこに、全推力でショルダーチャージを叩きつけるヒビキ。

二人ともにバリュート展開限界高度と速度を突破、摩擦で機体が火を吹き始めるが、ヒビキはタナベ機を踏み台にスラスター全開で上昇した。

「な……!」

「誰がお前なんかと一緒に燃え尽きてやるか!」

ヒビキの押しつけたベクトルに抵抗していたタナベ機の質量と、大気圏の短時間飛行も可能なクゥエルの追加ブースター。

ネモだけが地球側に吹っ飛ばされ、ヒビキは限界高度から離脱する。

「くそッ、バリュートは………!」

慌ててタナベはバリュートを展開しようとするが、さっきの損傷のせいで開かない。

「機体表面温度1000℃突破……嫌だ、助けてくれぇ!」

「タナベさん!」

ハルカが助けようとするが、届くはずもなく。

「うわぁぁぁぁぁ!」

大気摩擦で分解、燃え尽きるネモ。

「チハヤ、こっちもそろそろヤバいぞ!」

刻一刻と上がっていく機体表面の温度計を見て、ヒビキが言う。

「くっ……!」

だが、ハルカから手を離そうとしないチハヤ。

ハルカも、チハヤから離れる気配はない。

「何してるんだ!自分のクゥエルはもう推進剤が無い!」

「でも………」

ハルカを掴んだところで、次の言葉が出ない。

またいつ会えるか分からぬ戦場に戻らなくてはいけないのか。

……初めての、親友なのに!

「チハヤちゃん!」

その時、ユキホが二人の近くにコスモスのバルカンを放つ。

もちろん牽制、離れてくれればと思ってのことである。

目論見通りハルカは回避運動をとり、チハヤから離れた、が。

「邪魔をしないで!」

激昂したハルカが、コスモスにビームライフルを向ける。

大気圏突入と若干の大気圏内飛行能力しか持ち合わせていないコスモスに、回避が可能なはずもなく。

ハルカのリック・ディアスの腕が、ビームに貫かれた。

「チハヤちゃん?!」

驚いて振り向いたハルカの目に映ったのは、ビームライフルを構えるチハヤ機。

「あなたは……」

ビームライフルを腰に収納、両肩のビームサーベルを引きぬく。

「あなたはユキホにまで銃を向けるの!?」

「ユキホちゃん!?あれが!?」

ハルカが感覚を研ぎ澄ますが、感じるのは二丁拳銃のクゥエル、ミキからのプレッシャーだけ。

……この気に圧されて、ユキホちゃんが分からなかった……

「あなたは、もう私の知ってるハルカじゃない!」

サーベルを構え、ハルカに突進するチハヤ。

「待って!本当に分からなかった……」

弁解するハルカだったが、チハヤは耳を貸さない。

……ハルカはいつも天心万蘭、何があっても笑っていて、それが素敵で、でも、何かあっても、

「いつも、そうやってとぼけて!」

目に涙を浮かべ、チハヤは叫んだ。

「チハヤちゃんこそ、チハヤちゃんこそ、そうやっていつも意地を張って!勝手すぎるよ!」

今度はハルカの怒りが爆発する番だった。突進してくるチハヤをかわし、

「チハヤちゃんの、分からず屋!」

クゥエルに強烈な蹴りを食らわせる。

「な……」

追加ブースター大破、自分で行った加速も相まって、きりもみしながらバリュート展開限界高度と速度を突破。

「しまった!」

我に返ったハルカが叫ぶが、時すでに遅し。

チハヤは全ブースターをパージ、バリュートを展開しようとするが、

「突入角が……」

大気に弾かれるような角度ではないが、この角度で地表まで降下すればおそらくバリュートが持たない。

「くっ……このままでは!」

軌道変更をしようにも、ブースターはすでにない。

「チハヤちゃん!」

ユキホが加速、炎に包まれていくチハヤ機へと向かった。
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プロフィール

リンゴ・t

Author:リンゴ・t
アイマスが好きです、でもガンダムは人生です。

im@s架空戦記「宇宙駆ける蒼い鳥」好評連載中!

その他にも雑記、オリジナル小説上げるかも。

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