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第五話-再開の風(前編)-【Blue Arcadia】

2010.04.25

category : Blue Arcadia 本編

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「さて、」

月の表面……頭上に地球を拝む月面都市、フォン・ブラウン。

細長いビルが林立し、空を望めば人工の天井とガラス張り越しの宇宙が見える街。

「ここはどこかしらー?」

その街中、幅2mほどの路地でアズサが言った。

「アズサお姉ちゃんが近道知ってるって言うからついてきたのに……」

その隣、頭を抱えるアミ。大きくため息を付き、路地の壁に寄りかかる。

「私たち、迷子になっちゃたんですか?」

「迷子も何も、これでは道化だよ……」

不安そうに言うヤヨイの肩に手を置き、アミと瓜二つの姉、マミは大きく首をふった。

「とりあえず、この路地に入ったところに戻らないと……」

そう言って、一足先に駆け出すアミだったが、

「えーと、どうやって来たかしら?」

間の抜けたアズサの言葉に、盛大にすっ転んだ。

「一本道だったでしょ……」

舞う土煙、慌てて駆け寄るマミ。

そしてアミは生まれたての小鹿のように立ち上がり、大きくため息をついた。

「でもそろそろ行かないと、イオリちゃん怒っちゃうかも……急ぎましょう!」

腕時計を見て、飛び跳ねるヤヨイ。

待ち合わせの時間まで、あと十数分しか無い。

「それもそうねぇ。行きましょうか。」

アズサもコロコロと笑いながら、その後を追った。



【北米 地球連邦軍キャルフォルニアベース】

「ねぇ……リョウ……」

大型輸送機、ミディア改級のコックピットに乗ったユメコ・サクライが言った。

地球連邦軍の制服に身を包み、その長い髪はうなじで一つにまとめられている。

会話しながらも、MSのそれを遥かに越える数の計器をチェックし、適切なスイッチを入力するユメコ。

「何、ユメコちゃん。」

同じ連邦軍の制服に身を包んだリョウ・アキヅキが、ユメコの座る席に手をかけて言った。

ミディアの窓越しに見えるは、ガルダ級も楽々と離着陸出来る長く続く滑走路。

「なんか外が騒がしいけど、本当に大丈夫なの?ミッシング・ムーン隊の追撃って言ってたけど……」

と言いつつ、ユメコは天候、風速風向の確認を怠らない。

祖母の代から受け継いできた、大型航空機乗りの誇りだ。

天気は快晴。キャルフォルニアベース上空は高気圧に覆われ、抜けるような青空。

海からの風は無いとは言いがたいが、航行に問題はないだろう。

「だ、大丈夫だよ!皆ジョセフさん達が居なくなって慌ててるだけだって!」

リョウは笑顔でサムズアップするものの、その声は震えている。

「そうかしら……」

「そうだよ!ほら、早く行かないとジョセフさん達を追えなくなっちゃうよ!ジョセフさん達は間違ってるって、仲間の僕らが言いに行かないと……!」

ユメコはやたらに発進を急かすリョウに怪訝な顔をしながらも、

「分かったわ。信じる。」

操縦幹に手をかけた。

スロットルを浮上出力にまで開放、機内に駆動音が立ち込める。

「こちら、ミディア改級『ディアリースター』。発進オーケイ?」

[こちら管制室マナミ・オカモト。進路クリアー、発進どうぞ!]

ユメコが操縦幹を前に倒し、ミディアは発進。通常翼による浮力と、大出力ローターによって数秒で離陸した。

一年戦争時代のものよりもはるかに巨大なミディア改級だが、その出力も比ではない。とても3機のMSとド・ダイを積んでいるとは思えないほどあっという間に、キャルフォルニアベースが小さくなってゆく。

ミッシング・ムーン隊追撃のために、眼下にはロッキー山脈を、正面にはようやくコロニー落としの傷から立ち直りつつある大穀倉地帯を望み、ミディアは東南東に進む。

「現在ミッシング・ムーン隊はケネディポートに向けてカリブ海を北進中……ってことで良いのよね?」

北米大陸が拡大された地図を見ながら、ユメコは言う。

最後にミッシング・ムーン隊が発見されたのは、パナマ運河周辺。

「うん。ジャブローに降下したエゥーゴ部隊の目的地はたぶん、カラバの持つ最大の宇宙港、ケネディポート。」

リョウがユメコからタッチペンを受け取り、アメリカ大陸上の一点、フロリダ半島を指す。

「今回のジャブロー強襲はおそらく武力威示。そして、宇宙主義のエゥーゴが長く宇宙の戦力を手薄にしておくはずがない。」

モニターの表示がメルカトル図法から地球儀の3Dになり、ケネディ宇宙港から飛び立つシャトルの軌道を描く。

「地球慣れしてるミッシング・ムーン隊は、シャトル発射までの護衛ってワケね。」

地図を元に戻し、ユメコは唸った。

「で、私達はそれに接触して説得すると。」

ミディアの進路とアウドムラの進路が、カリブ海海上で交差する。

「うん。確かに、僕も最近の連邦のやり口は好きじゃない……でも、ジオンの残党に手を貸すなんてやっぱり間違ってるよ。」

握り拳をつくり、力説するリョウ。

その拳と瞳孔が微妙に揺れているのにも気付かず、

「あんたらしいわ。……嫌いじゃない。」

顔を背け、だが頬を染めて言うユメコ。

だが。

「あのー」

瞬間、後ろに現れる気配。

「うわばばばばばばえ……エリちゃん?!」

慌て握り拳を解き、ヒラヒラと振るリョウ。

「いつの間に……」

ユメコも、赤い頬を隠そうと正面に向き直り、操縦幹を握り直す。

「えーと、なんでここに……」

「うん、それは……」




「敵ガルダ級、インベルの回頭を確認しました!並走していたアウドムラは、加速しケネディへ直進します!」

眼下にカリブ海を望むヌービアム艦橋、オペレーターが叫んだ。

「やはり一隻は足止めに来る、か。」

[こちらはスードリ、こちらも向こうの動きを察知した。]

スードリからの通信、ブランのバリトンが艦橋に響く。

低く断続的なエンジン部の駆動音と、全速力の巨体に空気がぶつかり、鉄がひずむ音が響く。

[これよりスードリは加速してアウドムラに接近、ケネディポートからエゥーゴ部隊の大気圏離脱を阻止する!]

「了解です。反転したガルダ級の相手は、このヌービアムにお任せください。」

カラスが、平行して飛ぶスードリの艦橋に敬礼する。

並んで、チハヤ、ヒビキ、ミキも律儀な敬礼を送る。見よう見まねのカラスのそれとは違う、地球連邦軍制式の敬礼だ。

[ここまでの同行、そして援護に感謝する。]

そう言って、スードリの艦橋から敬礼を返すブラン・ブルターク。

[チハヤ・キサラギ、ミキ・ホシイ、ヒビキ・ガナハ。武運を祈っているぞ。]

「少佐も、お気を付けて。」

そして、ヌービアムを離れていくスードリ。

「ヌービアム、全速前進!インベルがスードリに取り付くようならロケットブースターの使用もある!」

手を振りかざし、怒鳴るカラス。

「ヌービアム全速前進!ようそろ!」

操舵手が復唱、怪鳥がその両翼を唸らせる。

「敵艦、相対速度60ノット!会敵まで約5分!」

「MS隊、発進準備!」

ヌービアムのMSオペレーターとなったユキホが、チハヤ達を振り返り言った。

その言葉を聞くや否や、艦橋を飛び出していくチハヤ達。

「うら若き乙女にして戦馬鹿か、不幸なことだな。」

3人の後ろ姿を一瞥、カラスは手を高く上げた。

「リファのギャプランも出すぞ!私のアイザックも用意しろ!」





[敵艦、スードリが進路変更!]

インベル艦橋。左舷砲台から報告が入る。

[本艦を相手にせず、アウドムラに向かっています!]

「それでこそ、予定通りです。」

艦長席の前に立ち、懐中時計を一瞥するジョセフ。

「MS部隊、アクト・オン!」

[来た来た、ジョセフ節!]

リック・ディアスのコックピット、マコトが嬉しそうに言った。

「ハルカ・アマミ、リック・ディアス、アクト・オン!」

ポーンという軽快な音と共に、勢い良くハルカが発進。

「マコト・キクチ、リック・ディアス、アクト・オン!」

マコトもそれに続く。

「ボクたちが先陣を切ります、ネモ隊は援護を!」

マコトはそう言い、

「いっけぇー!」

発進しつつある敵MSにバズーカを一発、二発と放った。

弾がはじけ、中から大量の破片が吐き出される。

高速の破片が、耐弾性を犠牲に機動力を重視したハイザックの動力パイプを貫く。

[ぐっ……こちらハイザック4番機、後退します!]

最も直撃に近かったハイザックが反転しようとした瞬間、

「逃がさない!」

ハルカの一撃が、その腹部を貫いた。

「動きを止める、迂濶な!」

爆発の煙を突き抜け、飛び出たるはチハヤ。

「チハヤちゃん!」

「ハルカ!」

互いにビーム一閃、距離を取る。

「チハヤちゃん、やめようよ!ティターンズに入ってまで、何をするの!?」

「私は地球圏の治安を守る!ハルカこそ、ジオンに、地球を汚した、私達の両親を殺したジオンに!」

「違う!」

ハルカの放ったビームが、チハヤのド・ダイを掠める。

「くっ!やはり射撃戦では、ハルカが!」

「エゥーゴは、そんな地球を汚すような組織じゃない!」

「7年、いえ、星の屑から4年、時が経つうちにジオンが善人になったとでも言うの!?ふざけないで!」

チハヤのライフルが火を噴き、ハルカは発砲と同時に回避運動を取る。

「エゥーゴはジオン公国とは違う!」

閃光が、チハヤのシールドを抉った。

舞い上がる爆煙。

「私達は、宇宙に住む人達にどんなことをしてきたかも知らないで!」

目に涙を溜め、ハルカは叫んだ。

だが、姿こそ見えないが、その研ぎ澄まされた感覚はチハヤの殺気を感じとる。

「なんで、チハヤちゃん!」

悲鳴に近い叫び。

ライフルの標準を、爆煙の中心に定める。

瞬間、爆煙を突き破って飛び出して来た、

「ド・ダイ!?」

閃光が、ド・ダイを貫く。

爆発、さらに増えた煙がハルカの視界を奪う。

「なまじっか、勘が良いだけに!」

真下からの閃光が、ハルカのド・ダイを貫いた。

「きゃあああっ!」

[ハルカ!]

悲鳴にマコトが振り返ったが、

[こっちの相手をしろ!]

ヒビキのビームが、それを阻む。

ハルカが他のネモに助けられたのを確認して、

「ああもう!」

バズーカを放つが、拡散しきらない至近距離の一撃をヒビキは難なくかわす。

「当たるものか!」

「こうも近いと……」

「なら、剣を抜け!」

ライフルを収納し、サーベルを抜くヒビキ。

ド・ダイ越しに戦えるほどに延びきった高熱の刃が、ディアスの装甲を掻く。

「くそっ!」

バズーカを乱射しながら後退するマコト。

「逃げるな!」

追加ブースターの推力全開で接近、機体が加速度と空気抵抗に悲鳴を上げるが、短時間なら問題は無い。

なおもマコトはバズーカで迎撃するが、当たらない。

「弾が切れたっ!」

舌打ちし、カートリッジを排出。

マコトが下がるよりも速く接近しつつあるヒビキの眼前に、カートリッジが迫る。

「ジャマだ!」

ヒビキは、サーベルを一閃。

「ひっかかった!」

まだ弾の残っていたカートリッジが、大爆発を起こした。

「なぁぁぁっ!?」

「光り物ばかりに頼るからそうなる!」

爆煙を突き抜け、マコトはバズーカの砲口をクゥエルの頭に叩きつける。

砕けるメインカメラ、散る火花。

バズーカのリロードは完了している。

無数の鉄塊が詰め込まれた弾丸が、頭部を貫いた。
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プロフィール

Author:リンゴ・t
アイマスが好きです、でもガンダムは人生です。

im@s架空戦記「宇宙駆ける蒼い鳥」好評連載中!

その他にも雑記、オリジナル小説上げるかも。

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